元メンバーへのメッセージ

破壊的カルトグループからの脱会と、それに伴う心の変化とケアは、あまり知られていないかもしれないが、実はとても重要な部分である。脱会してから、植えつけられたカルト思考の癖を修復していくのは、ある程度の時間を要する。

脱会後、どのような道の歩み方をすればいいのか悩む時、道が見えず、不安になることがある。
そんなとき、脱会者のリハビリを手がけている方が何人かいる。それらの方の意見を聞いてみるのもいいと思う。
カルトグループに寄りかかりすぎていた自分の立て直し方をアドバイスしてくれる。
あくまでも立ちあがるのは自分自身だ。

マインドコントロールからの脱出

パスカルさんも脱会者の心のケアの一人。

この本は、主に統一教会脱会者とその家族に向けた本ではあるけれど、
マインドコントロールやカルト、脱会後の心理と家族達のケアに関しては、どんな破壊的カルトグループにも当てはまるものであり、参考になることは多い。
別のカルトグループ員であっても読んでみることをオススメしたい。

「マインドコントロールからの脱出」 (パスカル・ズィヴィ著より)


 ■ 元メンバーへのメッセージ
いままで信じていたものをやめることが、どれほど難しくて苦しいことであるか、あなたは一番わかっています。あなたは、元メンバーということで一般社会からマイナスのイメージを持たれたり、社会復帰できるだろうかという不安で自信をもてないなど、いろいろと辛い経験をすると思います。

どんな人でも、成功もするでしょうが、失敗もするのです。
人生のなかで多くの困難に遭遇した時、誰もがあなたと同じ経験をします。あなただけが特別なのではありません。それをぜひ理解してください。

(中略)

私たち人間は、失敗したときにどれほど立ち上がる事ができるかどうかが大切なのです。失敗をとおして、人間は成長することができるのです。
あなたは、今そういうことを学んでいます。もちろん、簡単な出来事ではありません。
あなたはやめるとき、苦しい状態の中にあっても、決して事実から逃げ出さなかったはずです。あなたのために、自分自身から逃げ出さないでください。あなたのまわりには、あなたのこころを受け止めてくれる人が必ずいます。
パスカル・ズィヴィ「マインドコントロールからの脱出」より)


「人間がどれほどよいかどうかを計ることは、その人の成功を見るよりも、失敗の時に、どれほどの自分の責任を受け止めることができるかどうかなのです。」
 (心理学者ポール・トゥルニエ『苦しみと向き合う』)

カルトグループ脱会者であれば、なおのこと、白黒でないニュートラルな感覚を掴むのは、容易ではない。でも、そんな時にも、励ましてくれる人や、しずかに見守ってくれる人は必ずいる。さがせば必ず出会える
同じように歩いていった先人もいる。
安心して、いつか自分のことにきちんと目を向けることが出来る日がくるのだろう。

私もまた励まされ、歩いている一人である。

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